-カンゾウ-


カンゾウ(甘草)

カンゾウ(甘草)の効果効能

カンゾウは、主に中国の東北部に自生するマメ科の多年草で、和名では「甘草」と書きます。カンゾウの根と茎を乾燥させたものを、生薬として用いています。漢方ではカンゾウは百薬の毒を解毒するものと考えられてきました。このため、薬理作用や刺激を和らげるものとして、漢方処方では多数、配合されています。カンゾウ(甘草)は解毒作用の他に、胃潰瘍や肝機能障害にも効果があります。

カンゾウは「甘草」の名のとおり、甘みが強く砂糖の50倍といわれています。欧米ではカンゾウは健康的な食品添加物として使用されていますが、大量摂取により副作用を生じるため、注意が必要です。

グリチルリチンやその他の甘草から得られる物質は消炎作用や美白の効果を持ち、医薬のみならず、化粧品や医薬部外品の原料としても重要です。


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カンゾウ(甘草)の解毒効果

カンゾウの有効成分で最も注目されるのは、グリチルリチンという甘み成分で、カンゾウの解毒作用は、このグリチルリチンによるものです。このグリチルリチンは、フグ毒やヘビ毒、細菌性の毒などに解毒作用を発揮します。これはグリチルリチンが肝臓機能を高めて、肝臓で有毒物質を無毒化する働きを強めるためです。

カンゾウ(甘草)の肝臓に対する効果

カンゾウ(甘草)の有効成分グリチルリチンはC型肝炎の炎症を抑え、ALT(肝細胞障害の指標)の数値を低下させる効果があります。この効果は、肝臓がんの発生のリスクを下げることと、関連していることが知られています。

C型肝炎では、炎症による肝細胞障害の指標であるALTの値を、低い値に維持できれば、肝臓がん発生を予防できます。そしてグリチルリチンには、ウイルス性肝炎におけるALTの値を下げる効果があることが、日本の研究機関によって明らかにされています。

カンゾウ(甘草)の肝臓に対する治験

グリチルリチン製剤の注射により、肝細胞障害の指標であるALTの値の低下がみられます。これは、グリチルリチン製剤の抗炎症作用および肝臓保護作用により、肝臓細胞の破壊の進展を抑えるからです。このため、肝臓がんの予防効果も期待されています。

ヨーロッパではC型肝炎患者に対し、グリチルリチン製剤の治験が行われました。治験方法は2つのグループに、週3回および週6回のグリチルリチン製剤の静脈内投与を4週間続けるものでした。その結果、ALTの数値比はそれぞれ26%と47%低下しました。

このうち、週3回投与の場合で10%(41人中4人)、週6回投与で20%(15人中3人)の患者においてALTの数値は正常値まで減少しました。低下したALT値は、グリチルリチン製剤の投与を中止することにより、再度上昇しました。この治験ではグリチルリチン製剤の副作用は、見られませんでした。

治験結果として、C型肝炎患者に対してグリチルリチン製剤の静脈内投与は、炎症を抑える効果があることが証明されました。そして週3回より週6回投与の方が、効果的であることも判りました。

カンゾウ(甘草)の胃潰瘍に対する効果

カンゾウ(甘草)は胃潰瘍に効果があるといわれていますが、この効果はカンゾウ(甘草)の有効成分グリチルリチンが、加水分解するとできるグリチルレチン酸という物質によるものです。このグリチルレチン酸には、胃の細胞を増殖させ、胃酸分泌、粘液分泌を促進させる働きがあります。

改善が期待できる症状

肝機能障害 胃の痛み(胃潰瘍)口内炎

カンゾウ(甘草)の有効成分

グリチルリチン


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カンゾウ(甘草)の飲み方

主成分のグリチルリチンには低カリウム血症や血圧上昇、浮腫(偽性アルドステロン症)などの副作用が知られていますので、一時に多量に服用しないで下さい。このため漢方薬を併用する時は、その中にカンゾウが含まれているか、よく調べてください。

また子宮の活動を刺激して、流産を引き起こすことがあるため、カンゾウは妊娠中には摂取しないでください。


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